フィールドセールスとは?インサイドセールスとの連携のポイント│コボットLAB

フィールドセールスとは?インサイドセールスとの連携のポイント

フィールドセールスは、顧客に対面して商品やサービスを説明できるため、より顧客に寄り添った商談が行える従来からの営業手法です。フィールドセールスとともに、現在では遠隔で営業ができるインサイドセールスが台頭し始め、効率的な営業を実現する動きもあります。

そして、フィールドセールスとインサイドセールスを連携させることで、さらなる営業手法の効率化も行えます。今回は、フィールドセールスとインサイドセールスの違いや、連携のポイントの他、フィールドセールスのメリットやデメリットについて解説します。

フィールドセールスとは

フィールドセールスは、営業担当者が顧客や見込み顧客と接点を作り、直接訪問して対話により商品やサービスを提案し、商談を進め受注へつなげる営業手法です。

顧客と直接対話できることから、顧客の要望や課題などを深く理解し、説得しながら商談が行えるため、より顧客の意向に沿った提案をしやすいことが特徴です。また、顧客へのアプローチから受注までのプロセスを一人の営業担当者が行うため、信頼関係を築ければ中長期的な取引が可能です。

日本では、ほとんどの企業で主にこのフィールドセールスが行われています。しかし、近年インサイドセールスという新たな営業手法が登場しており、営業形態の変化が顕在化してきています。

フィールドセールスとインサイドセールスの違い

フィールドセールスとインサイドセールスは「対面する営業なのか」「非対面する営業なのか」に違いがあります。

フィールドセールスは対面して行う営業方法で、営業担当者自らが顧客に赴き、自社の商品やサービスを売り込んで商談・受注につなげる営業手法です。顧客とアポイントが取れ、対面できれば直接商品やサービスの強みを伝えられるため、営業担当者の熱意や人柄が顧客に伝わりやすいです。

しかし、顧客を訪問する移動時間に時間を要したり、商談前の雑談で時間がかかったりするため、効率的でないデメリットがあります。

一方で、インサイドセールスは非対面で行う営業で、顧客を訪問せずに自社内で電話やメールなどを用いて顧客にアプローチを取る営業方法です。顧客を直接訪問しない分、時間的なコストを抑えられるため、フィールドセールスよりも多くの顧客にアプローチできます。

しかしながら、フィールドセールスのように面と向かって対応しないため、営業担当者の人柄を伝えることが難しく、商品やサービスへの説得力に乏しい営業になりやすいです。

フィールドセールスとインサイドセールスの役割

フィールドセールスとインサイドセールスを比較すると、その特徴から役割が異なることがおわかりいただけたでしょう。フィールドセールスとインサイドセールスで営業の役割を分担することで、効率的な受注につなげられるのです。ここでは、それぞれの役割について詳しく解説します。

インサイドセールス

インサイドセールスの役割は、効率的により多くの顧客にアプローチして接点を作り、購買意欲を高めて商談まで持ち込むことです。また、アフターフォローについてもインサイドセールスが担当し、継続して顧客とコンタクトします。

インサイドセールスは、わざわざ顧客を訪問しなくとも、日に何十件と遠隔で顧客にアプローチできる点でフィールドセールスよりも効率的に営業活動が行えます。

例えば、何十件もある訪問先を逐一回っていては、いくら時間があっても足りません。ところが、電話やメールで顧客の課題や要望を聞き取り、その場で解決策を提案できれば顧客からの自社への期待は高まり、受注の可能性が高まるでしょう。

このように、電話やメールを通じて継続的に顧客の課題を解決し、受注への意欲を高めることがインサイドセールスの役割です。

フィールドセールス

フィールドセールスの役割は、インサイドセールスによって受注意欲が高まった顧客に接触し、商談を行うことです。インサイドセールスを導入していない企業では、フィールドセールス担当者自らが顧客にアポイントを取り、訪問して商談を行います。

フィールドセールスで商談する際は、インサイドセールスにより、顧客は商品やサービスへの興味や関心が高まっているため、受注の確度が高くなっている状態だといえます。また、インサイドセールスを導入していなくても、フィールドセールスでアポイントを取り、商談まで進められれば、商品やサービスの複雑な説明も可能です。課題や要望のヒアリングも行えるため、顧客の信頼感を深めながら受注することができるでしょう。

このように、実際に顧客と接触し、商談から受注までを獲得するのがフィールドセールスの役割です。インサイドセールスとフィールドセールスそれぞれの異なった役割を組み合わせることで、営業プロセスが効率的になるでしょう。

フィールドセールスとインサイドセールスの連携のポイント

先ほどは、フィールドセールスとインサイドセールスの役割について解説しました。続いては、フィールドセールスとインサイドセールスが連携して業務を行うポイントについてお伝えしていきます。

綿密に情報を共有する

フィールドセールスとインサイドセールスは、綿密に情報を共有することで連携が保てます。「どのようなやり取りがあったのか」「顧客は今どのような対応を期待しているのか」などといった情報をインサイドセールスからフィールドセールスへ確実に共有することで、齟齬のない営業活動が行えるからです。

そして、正確に情報を共有するためには、SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)という営業効率化ツールを活用しましょう。

SFAは、自社の営業情報や営業担当者のデータを蓄積し分析をして、その結果をもとに業務効率化を実現するシステムです。また、顧客の氏名や企業情報などの基本情報や、商談履歴や名刺情報なども管理でき、情報を包括的に可視化して一目で把握できます。

SFAを活用すれば、営業部の情報を一元的に管理できるため、各営業パーソンの進捗状況や営業プロセスを可視化・数値化でき、正確な情報の共有が可能です。綿密な連携を行うためには、SFAの活用が非常に役立つでしょう。

的確な顧客の引き渡し

インサイドセール側からフィールドセールス側へ、的確なタイミングで顧客を引き継ぐことも、連携ポイントと言えるでしょう。購買意欲が十分に高まらなかった場合、フィールドセールス側に引き継いでも受注には至らないまま商談が続き、逆に手間になる場合があるからです。

そのため、インサイドセールス側は、十分に顧客の購買意欲が高まったことを確認してから引き継ぐようにして、受注のタイミングを逃さないようにすることがポイントです。顧客が発注に前向きになったときに引き継ぐことが、連携する上で重要な点だといえるでしょう。

顧客への認識を統一する

顧客への認識を統一することで、フィールドセールスとインサイドセールスの連携を円滑に保てます。

営業の本分は「顧客のニーズにあった商品やサービスを提供すること」です。この本分を達成するためには、フィールドセールスとインサイドセールスの間で、顧客に関する情報の認識に差があってはなりません。

しかし、営業担当者もロボットではなく、すべてを確実に統一することは非常に困難だと言えます。そのようなときは、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)を活用すると良いでしょう。

CRMは、顧客の氏名や性別などの個人情報や取引履歴や商品志向などの情報を一元的に管理できるツールです。CRMでは顧客データを分析した情報をもとに「顧客に最適な商品やサービスは何か」検討が可能です。齟齬のない情報共有には、可視化された顧客情報が最適です。顧客への認識を統一でき、スムーズな商談が行えるでしょう。

フィールドセールスのメリット

フィールドセールスは、移動時間がかかったり、担当者が他の業務と並行させながらアポイントを取ったりと、インサイドセールスと比べると色々と手間がかかる営業手法です。しかしながら、インサイドセールスよりも顧客と直接接する機会が多い点で、深い信頼関係を築けることは利点だと言えます。

ここでは、顧客対応でフィールドセールスのメリットを見ていきましょう。

詳細な説明ができる

フィールドセールスで商談を行うと、商品やサービスの説明を詳細に行えます。フィールドセールスはインサイドセールスと異なり、対面で顧客とコミュニケーションを取れるため、身振りや手振り、細かい表情などを言葉と織り交ぜて商談が行えます。

そのため、商品やサービスの利点やポイントを詳細に説明することが可能です。

そもそも電話では声だけで説明する必要があります。また、Web会議では画面越しに説明するため、商品も二次元的にしか説明できません。

フィールドセールスでは、顧客の目の前に商品を用意できるため、身振り手振りを使って注目して欲しい部分の詳細な説明ができます。フィールドセールスは、ボディーランゲージを利用して商品を詳細に説明できる点で、メリットがあると言えるでしょう。

顧客の情報を多く得られる

対面で顧客と会話することで情報を多く得られることも、フィールドセールスのメリットです。

フィールドセールスは、商談を始める前のアイスブレイクの時間に雑談をすることがあります。そして、その時間に顧客と会話が弾めば、顧客との関係作りをする上での情報を聞けます。

また、事業の話になれば、顧客の会社事情についても情報を得られるでしょう。例えば、顧客と雑談をする上で「商談を最終的に決めるのは誰なのか」を把握できれば、商品やサービスの説明も代表者に的確にアプローチできます。

実際に顧客と面と向かって会話して顧客の情報を得られるのは、フィールドセールスのメリットだと言えるでしょう。

フィールドセールスのデメリット

続いては、フィールドセールスのデメリットをお伝えしましょう。

顧客の訪問に時間・人的コストがかかる

フィールドセールスは、顧客の訪問に時間がかかるのと、多くの人材が必要なのがデメリットだと言えます。

フィールドセールスは、商談に向かう際の移動で多くの時間がかかります。また、顧客の数だけ営業担当者が必要で、人的なコストも多くなってしまいます訪問に時間がかかれば、他の顧客の対応が手薄になってしまったりするため、業務効率が下がってしまうのです。

フィールドセールスは、顧客と関係を深く保てる分時間や人的なコストが発生してしまいます。

感染症罹患のリスクがある

現在世界で蔓延している新型コロナウイルスもそうですが、フィールドセールスは感染症リスクが高いと言えます。顧客に訪問して商談を行うため、感染症に罹患する可能性が高くなるってしまうためです。

多くの企業でマスクの装着や、手指のアルコール除菌が徹底されていますが、どんなに対策しようともウイルスは目に見えないため、完全に防ぐことは不可能です。フィールドセールスは、同じ空間で対面して話すので飛沫感染や、空気感染で感染症に罹患するデメリットがあるのです。

まとめ

今回はフィールドセールスについて解説しました。

フィールドセールスは、直接顧客のもとを訪問して、商品やサービスを提案する営業手法です。フィールドセールス単体での営業でも、成果は上げられますが、インサイドセールスと連携するとより効率的な営業プロセスを構築できます。

また、SFAやCRMを導入すると部門間で齟齬のない情報管理が行えるため、ミスなく相互の連携を保てるでしょう。フィールドセールスのメリットとデメリットを正確に把握し、効率的に顧客を獲得しましょう。

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