RPA導入は働き方改革を失敗させる?事例から見えてくるRPAの本質とは!?│コボットLAB

RPA導入は働き方改革を失敗させる?事例から見えてくるRPAの本質とは!?

  • 2020年8月14日
  • 2022年10月11日
  • RPA

事務作業を自動化できるRPAは今大変注目されていています。しかしその一方で、役割や本質がよく理解されていないために、せっかくRPAを導入したにもかかわらず働き方改革が失敗に終わる企業があることも現実です。この記事ではRPAに関する基礎知識や働き方改革が失敗する理由、RPA導入の成功事例などをご紹介します。

RPAの役割

「仮想知的労働者(デジタルレイバー)」とも呼ばれるRPAはAI(人工知能)とは異なり、教えられた業務をこなすが主な役割です。特別なハードウェアは必要なく、パソコンにソフトウェアロボットを導入するだけで使えるため、比較的操作も簡単で運用しやすいという特徴があります。

ミスが少なく処理能力に優れたRPAを導入することは、本業以外の事務作業に費やす担当者の負担を減らし本来の専門業務や創造力を必要とする作業に集中することができるようになるので、結果的に生産性や仕事の質を向上させることができます。

RPA導入で働き方改革が失敗する理由

RPAを導入したのにもかかわらず、働き方改革が失敗する主な理由は次のふたつが挙げられます。

・残業が発生している原因の業務を洗い出せていないから
・そもそもRPAで自動化できない人の判断が必要な業務だから

PRAを導入した働き方改革では、まず残業が減らない原因を突き止める必要があります。原因を洗い出し明らかにすればPRAを導入すべき業務内容も明確になり、PRAを最大限に活用することが可能になります。

しかしRPAだけではすべてをオートメーション化することは不可能であり、RPA導入後も最終的な判断は人がおこなわなくてはなりません。また、RPAとマッチしない業務内容もあるため、PRAに任せられる業務と人がおこなわなくてはいけない業務を仕分けして分担することが働き方改革を成功させるためのポイントです。

PRAは企業の問題や悩みを解決できるツールであることには間違いないのですが、「RPA導入は問題解決のためのひとつの手段」ということを認識しておくことも必要です。

RPAの本質とは

RPAの本質とは、社員とソフトウェアロボットが社内業務を分担することといえます。RPAは教えられて覚えていることであれば休みなく正確に作業を続けることができますが、それ以外のことやイレギュラーな事態への対応をすることは得意ではないからです。

RPAの導入する目的は、判断が不要な業務をソフトウェアロボットに任せて、複雑な作業や思考が必要な作業、あるいは例外的な状況の対処などを人が行なう体制を築き上げることにあります。

目標を決めずに闇雲にRPAを導入しても、このような体制が整っていなければ思ったような成果を上げることは難しいでしょう。RPA導入に際しては、「最終的にスタッフの残業時間を削減する」「人的ミスをなくす」といった目標を定める必要があります。

働き方改革が求められる背景

働き方改革が求められる背景は次の3つです。

・少子高齢化による労働人口の減少
・長時間労働と過労死問題
・労働生産性の低さ

働き方改革が求められる背景としてまず上げられるのが「少子高齢化による労働人口の減少」です。総務省の「情報通信白書 平成30年版」によると、2040年時点における15歳から64歳の生産年齢人口は5,978万人まで減少すると予測されていています。このままでは優秀な人材を採用するだけでなく労働者を確保することですら難しくなります。

また、2019年のOECD統計をベースにした「世界の労働時間 国別ランキング・推移」では、日本の残業時間はOECD諸国より長時間労働者の割合が著しく高いという結果が出ています。長時間労働による過労死を防ぐために政府はさまざまな対策をおこなっていますが、過労死問題はそれほど改善されていないのが現状です。

日本国内の「労働生産性の低さ」も働き方改革が求められる背景のひとつです。長時間労働をしている人の割合が高いにもかかわらず、OECD統計を元に日本生産性本部が公表した「労働生産性の国際比較」では、日本の労働生産性は、G7(先進国7ヶ国)のなかでも最下位となっているのです。

RPAによって実現された働き方改革5つの事例

RPAの活用方法は多岐にわたり、各企業の課題もそれぞれ異なります。RPA導入で働き方改革を成功させるためには、目的を明確にして業務をどのように改善していくかイメージしておくことが重要です。RPA によって実現された働き方改革を5つご紹介しましょう。

・複数のデータベースからの書類作成の自動化
・稟議資料に必要な情報入力を自動入力に改善
・問い合わせをチャットボットで対応するシステムの構築
・2種類のデータの突合と自動リスト作成
・口コミ情報収集の完全自動化

複数のデータベースからの書類作成の自動化

金融機関の場合、行政機関から資料提供などの仕事が依頼されることもあり、通常業務と並行してそのような作業をこなさなくてはいけません。金融関係の資料作成には個人情報だけでなく取引に関する情報など異なるデータベースでの調査が必要となり、ある金融機関ではこの作業が社員にとって大きな負担になっていました。

税務署より定期的に各支社の資料の提供が依頼されていた金融機関は、作業の効率化を図るためRPAを導入。複数のデータベースから必要に応じて情報をピックアップし、書類に自動転記できるようにしました。結果として資料作成スピードは格段に上がり、税務署への資料作成に費やしていた時間の70%以上、年間で換算すると15,000時間の作業時間の削減に成功したのです。

稟議資料に必要な情報入力を自動入力に改善

金融機関が融資を決定する際には稟議資料を作成しますが、稟議資料には会社情報、決算書情報、取引情報などの情報が必要になります。そのような情報は一般的に別々のデータベースに記録されているので、複数のデータベースから情報を収集して分析して稟議資料を作るのでかなりの時間が必要となります。本来重要なのは融資判断ですが資料作成に時間がかかるため、とある金融機関では融資判断よりも資料作成するために多くの時間と能力を費やしていました。

RPAの導入により、分析以外の必要項目に入力に関しては複数のデータベースより自動入力が可能になり、その結果1年間で3,000から4,000時間におよぶ作業時間の削減を実現したのです。業務に携わる社員は稟議資料を作成する負担が減った分、最も重要な融資判断に関する分析業務に専念できるようになり、以前にも増してよりクオリティーの高い融資判断をおこなっています。

問い合わせをチャットボットで対応するシステムの構築

管理部は社内の環境を整える部門のため、毎日保険や出張の手続きなどさまざまな問い合わせが数多く寄せられます。問い合わせのほとんどは社内イントラネットにある規定集を各自確認すればわかる内容のものでしたが、担当者は手作業ひとつひとつ調べ個別に対応をしていたので、そのことが業務の効率化の妨げにもなっていました。

RPA導入後はチャットボットが受付をおこない、RPAが問い合わせに対する回答を自動的に規則集や説明資料から検索し、回答が詳しく記されているURLを案内する、という流れで問い合わせの対応をおこないました。

チャットボットが間違った案内をすることやURLを案内するだけでは解決できない問い合わせもあるので、担当者が対応しなければならないこともまだ多いですが、問い合わせの約50%はチャットボットでの対応が可能となりました。担当者の負担は大幅に削減されて本来の業務に専念できるようになっています。

2種類のデータの突合と自動リスト作成

医療現場では患者の診察や治療するだけでなく、患者が受けた治療別にリストを作成する業務なども必要です。例えば、短期滞在患者のリストを作成する場合、担当者は医療事務システムと医療事務データベースから患者データを抜き出し、さらにそれぞれを照らし合わせ情報が一致しているか確認をおこなわなくてはなりません。医療現場でのリスト作成には多く労力を要しますが、長時間費やしても結局手作業のため照合や転記する際に人為的なミスが多発していました。

RPAの導入により、データの抽出とデータの突合はソフトウェアロボットに任せることで担当者の負担を減らすだけでなく、より正確なリスト作成をできるようになりました。また、成果を時間で表すと1年間で100時間を上回る作業時間の削減に成功しています。

口コミ情報収集の完全自動化

口コミ情報は顧客の購入意欲を掻き立てるだけでなく流行を生み出すきっかけにもなるので、通販サイトを運営している企業にとっては顧客の口コミ情報収集も大切な業務のひとつです。インターネットは大勢の人が利用するにもかかわらずRPA導入前の口コミ情報を収集する方法は手作業で、担当者が販売サイトにアクセスし、投稿者の年齢や購入場所、口コミの内容などひとつひとつ確認した後自社データベースに入力していました。

データ入力はRPAのソフトウェアロボットに代行させることが可能なので、RPAを導入した後の作業はすべて自動化され、担当者は集められた情報を分析しマーケティング戦略の立案や商品開発の検討のみをおこなえるようになりました。

RPAのおかげでミスが減って作業スピードがアップし、今までは週に1度それも大まかな情報しかまとめられなかった口コミ情報の収集作業がタイムリーにおこなえるようになり、集めた情報をビジネスに大いに役立てられるようになりました。

まとめ

働き方改革を実現するためには、RPAはコスト削減と業務の効率化を図れる優秀なツールです。しかし闇雲にRPAを導入しても活用しきれず思うように成果が上げられないこともあります。RPA導入を実行する前に、導入の目的やカバーしたい業務範囲を洗い出し、必要な機能を持つRPAを選びましょう。

コボットはディップ株式会社が提供するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)サービスです。自動化できる単純作業は、社員(人)に代わってロボット(コボット)に任せることで、貴重な人材がそれまで割いていた工数を、より高度な仕事に集中する為の時間とすることが可能になりました。ディップはRPAの導入相談から実際のRPA導入、導入後の運用に至るまでトータルでサポートします。「RPAを導入したい」「RPAを導入したが、活用しきれていない」「RPAの導入に踏み切ったが失敗した」など、導入における課題が多いいRPAですが、安心して導入いただけるサポート体制をご用意しています。

さらに、スケジュールの自動調整・WEB面談など採用現場の業務効率化を可能にする「面接コボット」や、人材派遣業界に特化した「HRコボット」、不動産業界の業務フローに沿ったテンプレート型RPA「不動産コボット」などの業界・業務特化型のRPAをご用意しています。

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